LINEST関数

Excel 2007+

概要

LINEST関数は最小二乗法によりデータに最適適合する直線を計算し、回帰分析の係数と詳細な統計情報を配列として返します。単回帰から多変量回帰まで対応し、傾き、切片、決定係数、標準誤差などの統計量を提供します。

構文

LINEST(既知のyの値, [既知のxの値], [定数], [統計])

パラメータ

パラメータ タイプ 必須 説明
既知のyの値 範囲/配列 はい 分析対象の従属変数データ群。y=mx+bの関係にあるy値。1列または1行のベクトル形式。
既知のxの値 範囲/配列 いいえ 独立変数データ群。複数変数の場合は各列/行が別変数として扱われる。省略時はデータサイズ分の連番。
定数 論理値 いいえ 切片bの計算有無。TRUE(デフォルト)で計算、FALSEで強制的にb=0。
統計 論理値 いいえ 追加回帰統計の出力有無。TRUEで標準誤差、R²、F値などを出力。

LINEST関数の使用

LINESTはExcelの高度な回帰分析ツールとして、販売予測、傾向分析、相関検証に活用されます。配列数式として入力し、傾き・切片から予測式を構築、統計量でモデルの信頼性を評価します。単純な傾き計算から多変量解析まで幅広く対応。

LINESTの一般的な例

基本的な単回帰(傾きと切片)

=LINEST(B2:B6,A2:A6)

売上データから月ごとの傾きと切片を計算し、9ヶ月目の売上予測に使用。

統計情報付き回帰分析

=LINEST(売上範囲,月範囲,TRUE,TRUE)

決定係数R²やF値を確認し、回帰モデルの有意性を評価。

切片なし回帰

=LINEST(B2:B6,A2:A6,FALSE)

原点を通る直線(y=mx)を仮定して傾きを計算。

多変量回帰

=LINEST(評価額範囲,変数1:変数4範囲,TRUE,TRUE)

複数の独立変数(面積、オフィス数など)を使用した複雑な回帰分析。

よくある質問

傾きmと切片bの配列を返します。統計=TRUE時は標準誤差、決定係数R²、F値、自由度などの回帰統計も出力。

数式を選択後Ctrl+Shift+Enter、または動的配列環境ではEnterのみ。適切な範囲を選択して結果を確認。

LINESTは配列で複数統計を返す。SLOPEは傾きのみ。共線性時の処理も異なる。

モデルの説明力。1に近いほどデータ適合度が高い(0-1の範囲)。

一般的なエラーと解決策

#DIV/0!エラー

Cause: データポイント不足または全て同一値

Solution: 少なくとも2点以上の異なるデータを用意

#VALUE!エラー

Cause: データ範囲の不整合または非数値データ

Solution: 数値のみを含む正しい範囲を指定

意図しない単一値

Cause: 配列数式として入力せず

Solution: Ctrl+Shift+Enterで配列数式入力

注記

  • 配列関数なので複数セルに出力されます
  • 統計=TRUE時は5行×k列の出力(k=変数数)
  • 共線性検出により冗長変数を自動除外
  • TREND関数と組み合わせて予測値計算が可能
  • F値と自由度で統計的有意性検証
  • 多項式回帰はx値をべき乗で変換して使用

互換性

利用可能: Excel 2007, Excel 2010, Excel 2013, Excel 2016, Excel 2019, Excel 2021, Microsoft 365

利用不可:

コンテンツ最終レビュー: December 9, 2025
更新頻度: 必要に応じて
テスト済みExcelバージョン: Excel 2007+